カスタマーレビュー
おすすめ度:
他の巻とは異質です。 
(2010-08-16)
私は、「白い巨塔」や「不毛地帯」のテレビドラマを見てから
本書にたどり着いた人間なので、少々異質のコメントかもしれません。
また、1巻〜5巻まで読み終えましたが、あえてこの3巻のみレビューします。
「御巣鷹の尾根」編は、他の巻とは異質で、ジャーナリズムとして
事故を後世に伝えたいという、熱い想いが伝わってくるように感じます。
それは非常に重要ですし、あって然るべきなのですが、
閑職に追いやられ、僻地をたらい回しにされた主人公を「遺族係」に
あてがうことで垣間見るという手法に、強い違和感を感じてなりません。
(同様のことは、後段の「会長室」編でも感じられます)
この無理やりさが、後々、実直すぎる主人公をブレさせた気がしてなりません。
著者の調査力に頭が下がる御巣鷹山墜落事故編 
(2010-04-22)
85年に起きた日本航空機墜落事故をなぞった第3巻。
この事故に関するドキュメントはたくさん読んできたので、書かれている内容はほぼ事実(調査結果)に即していると思います。また、事実関係や報道内容などは事故をほぼすべて網羅していて、その調査力には率直に頭が下がる思いです。そういう意味では、この第3巻だけは小説ではなくドキュメントといってもいいでしょう。
主人公の恩地はアフリカ帰任後の閑職から事故現場の最前線に送られ、遺族対応に追われます。実際に日航社員も同じように遺族と向き合ったのでしょう。520人という多くの命が一瞬にして奪われた大惨事。多少フィクションが入っていたとしても、当時の様子が手に取るように分かり胸が痛みます。
著者はとにかく御巣鷹山のことが書きたかったのかな?小説として考えた場合、この第3巻がなくても作品としてなりたつと思いますが…御巣鷹山編だけをドキュメントとして世に問うたほうが正当な評価を受けたように思います。小説の形をとって読者の印象を増幅させるような手法はなじまないような気がします。
全世界で同様のことがないことを切に願う 
(2010-03-31)
本篇の主人公は恩地ではなく、日航機墜落事故の被害者・遺族である。
被害者の実名がそのまま書かれ、墜落機が落ちていく最中に書かれた遺書、パイロットと管制塔とのやり取りなども
実際のままに描かれており、ノンフィクションに近い内容になっている。
実際に事故にあった被害者の恐怖、また残された遺族の悲しみや家庭崩壊の様が生々しく描写されており、
気づけば目頭が熱くなっている箇所も少なくない。
特に残された子供の姿が何人か描写されている部分は非常に沈痛な気持ちになる。
全世界で同様のことがないことを切に願う。
事実は小説よりも奇なり 
(2010-03-30)
1985年8月12日に日本航空のボーイング747−SRは群馬県御巣鷹山へ墜落した。
死者は520人。
国内最大の飛行機事故である。
事故そのものも衝撃であるが、
事故で家族を亡くした遺族の思いに震える。
遺族とその遺族に真摯に向き合う航空会社社員と
事故をその場凌ぎで片付けようとする航空会社上層部の描写が
なまなましく、そしてもの悲しい。
何度も目頭を熱くさせながら読了した。
残されたものの悲しみ 
(2010-03-07)
航空機事故がいかに悲惨なものか、残されたものの悲しみは
いかに深いかを著者は切々と訴えている。
アフリカ編会長室篇と異なり、御巣鷹山編は著者の被害者への
悲しみが深く伝わる本となっている。
事実が持つ重みはおおきい。